美容クリニックへの転職を検討している医師は、自身にとって理想の転職を実現するためにさまざまなポイントを押さえておく必要があります。重要なキャリア形成に関わるため、慎重に判断しましょう。
今回は、美容クリニックへ転職するうえで大事なことや、転職するメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
目次
医師が美容クリニックに転職するうえで大事なこと5選
医師が美容クリニックへ転職する際には、次のポイントを押さえましょう。
待遇を十分に確認する
美容クリニックでの医師の転職に際して、待遇を確認することが重要です。美容クリニックによっては、一定の売上を挙げた場合に成果に応じた報酬が追加で支払われます。この場合、ノルマを定めているケースが多いことに注意しましょう。
美容外科・美容皮膚科は自由診療であり、医師は患者に治療内容を十分に説明し、納得したうえで治療を選択してもらう必要があります。ここにノルマが気になってしまうと、患者に最適と言えない治療も勧めてしまうことになりかねません。
ノルマがあるとしても、患者の利益を第一に考えて誠実に対応すること、もしくはノルマがないクリニックを選ぶことが大切です。
また、労働環境や研修など、働きやすさやスキルアップなどにつながる条件も確認しましょう。
忙しさを確認する
美容クリニックの医師としての転職において、クリニックの忙しさを確認することが重要です。美容クリニックは通常、完全予約制を採用しており、急患や休日出勤の要請は滅多に発生しません。そのため、医師は休日の呼び出しを気にせずにリラックスして過ごせるでしょう。
しかし、営業時間中の忙しさはクリニックによって異なります。中には、休憩を取る暇もないほどに多くの患者が来院するクリニックもあります。反対に、医療の質を落とさないために1日の受付数を厳しく制限しているクリニックもあるのです。
忙しいクリニックはそれだけ高収入な傾向があるため、待遇とあわせてチェックしましょう。
求められる要素を確認する
美容クリニックへの転職の際は、医師に求められる要素を確認することが大切です。美容クリニックでは、ホスピタリティ、オーダーメイド施術、特殊な技術などが求められる場合があります。
ホスピタリティは患者に対する思いやりや気配りが重要で、患者がリラックスし、安心感を得られるようにサポートする能力が求められます。つまり、医療技術がどれだけ優れていても、患者を怖がらせたり不安を解消できなかったりする医師は求められません。
また、美容クリニックの施術は患者ごとに異なる要望に応えるため、オーダーメイドのアプローチが必要です。さらに、特殊な美容技術や最新の治療法に精通している医師は重宝される傾向があります。
いずれもクリニックによって方針が異なるため、求められることを事前に確認することが大切です。
働きたい理由を明確化する
美容クリニックへの転職を検討する医師は、なぜその診療科で働きたいのかを明確にすることが重要です。美容クリニックは一般の診療科とは異なる要素を求められるため、初めての経験に戸惑う方も少なくありません。
待遇や働きやすさだけに注目すると、転職したことを後悔する恐れがあるため、働きたい理由を明確化することが先決です。そのうえで、イメージと現実のギャップを解消し、本当に転職すべきかどうかを考えましょう。
クリニックの評判を確認する
美容クリニックの中には、患者の利益を考えずに治療を行うクリニックもあります。そのようなクリニックに勤めてしまうと、別の医療期間へ転職したくてもなかなか採用されない事態に陥るでしょう。医師の口コミだけではなく患者の口コミもチェックして、クリニックに問題がないか見極めることが大切です。
美容クリニックで働くメリット
年収が高い
美容クリニックの多くは自由診療を中心としているため、より多くの収入を得ることが可能です。その分、医師の給与水準も高く、未経験であっても年収1,500万円以上のケースも少なくありません。
キャリアを積み、役職や分院の院長などを任された場合は、年収5,000万円を超えることもあるでしょう。
通勤しやすい
美容クリニックは一般的に大規模な駅の近くにあるため、電車通勤が便利です。通勤が便利なことでストレスが軽減されるでしょう。また、美容クリニックによっては福利厚生が充実しており、近隣駐車場の料金の補助を受けられます。そのため、車でも通勤しやすいといえるでしょう。
開業医を目指しやすい
美容クリニックに勤務することで、将来的に美容クリニックを開業しやすくなります。美容診療および自由診療の経験を積むことで、ホスピタリティやオーダーメイド施術のコツなどを習得できるでしょう。
また、ノルマを課せられる場合は収入と診察時間の関係、顧客満足度の重要性なども認識できるようになります。
美容クリニックで働くデメリット
美容クリニックは一般的に好待遇や働きやすい職場であるものの、働くことには次のようなデメリットもあります。
勤めていた診療科のキャリアが途切れる
美容クリニックに転職すると、以前の診療科でのキャリアが途切れてしまいます。外科、麻酔科、皮膚科など、これまでの専門分野と異なる診療科で積んだキャリアが途絶えると、再び学び直しになるでしょう。これらの診療科に戻りたい場合、美容クリニックでの経歴が長いと、ブランクを不安視される恐れがあります。
ただし、美容クリニックで働きながら元の診療科でアルバイトとして働くのも方法の1つです。
クレームが入るリスクが高め
美容クリニックで行う治療は、皮膚の表面に結果が出ます。例えば、二重整形を受けたのに元に戻ってしまった場合、明らかにミスをしたとわかるでしょう。また、二重にはなったものの自身の理想とは異なる結果になった場合も、医師のミスと判断される場合がありますう。
一方、内科で風邪の診察をして薬を出した場合、患者が思っていたよりも治りが遅くても、個人差がある旨を伝えるだけで済みます。このように、美容クリニックは一般の診療科と比べてクレームが入りやすいことに注意が必要です。
美容クリニックに向いている医師とは
美容クリニックでの勤務に向いている医師は、美意識が高く、患者の外見に関する悩みや要望に対応することができる人です。また、コミュニケーション能力が高く、患者との信頼関係を築けることも重要です。
このような適性に加えて、美容皮膚科・美容外科のスキルを持つ医師は当然ながら重宝されます。未経験で美容皮膚科に転職する場合は皮膚科の経験、美容外科の場合は外科の経験が求められるでしょう。ただし、全く無関係の診療科から未経験で美容クリニックに転職し、患者から評判が良い医師もいます。そのため、美容クリニックに転職したい場合は、適性を確認しつつも自身にとって理想の働き方かどうかに重点を置くとよいでしょう。
まとめ
美容クリニックに転職したい場合は、その理由を明確化することが大切です。理由を踏まえて理想の条件を定めることで、自身にとって理想の転職先を効率的に探せます。また、美容クリニックで働くメリット・デメリットも理解したうえで、自身にとって理想の働き方かどうかを見極めましょう。
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