看護師は給料が高いといわれている職業のひとつですが、保険診療の病院で働いていると体力的に見合っていないと不満に感じることもあります。その点、美容クリニックは夜勤がなく体力を使う介助がほとんどないのに、給料が高いことから人気の転職先です。美容看護師の年収や必要なスキル、転職して手取りを上げる方法を徹底解説します。

美容看護師の平均年収はズバリ！

美容クリニックで働く看護師の平均年収は400～500万円が相場です。大手の美容クリニックになると、平均年収は500～600万円と少し高くなります。さらに、美容外科と美容皮膚科で年収を比較すると、美容外科のほうが50万円ほど多くもらえる傾向です。月収にすると30～40万円程度もらえ、さらに賞与や手当なども加わったものが年収になります。

一般のクリニックで働く年収との違い

保険診療をしている一般の病院で働く病棟看護師の平均年収は、500万円程度が相場です。一般病院の給料を月収にすると35万円程度が相場ですが、夜勤や残業なしでは年収500万円にも届かないことがほとんどです。

一方で、美容看護師は夜勤なしでも年収500万円以上もらえることもあります。数字だけだとほとんど差がないように見えますが、一般病院でもらえる給料には夜勤や残業などの手当も含めているので、むしろ美容看護師より少ないと感じられるでしょう。

美容看護師の年収が高い理由

美容業界は派手で華やかなイメージがあり、年収や手取りも上がりそうですよね。しかし、美容看護師が日勤だけで高い給料をもらえるのには理由があります。

自由診療

一般的なクリニックや病院と違って、美容クリニックは自由診療です。自由診療は健康保険などの医療保険が適用されない治療ができ、クリニックが治療費を独断で決めることができます。

保険診療では、どの医療機関でも同じ治療を同じ金額で行う「診療報酬」が定められていて、売り上げが給料に大きく影響することはありません。美容クリニックは新規の契約、化粧品の販売、リピーターの獲得など、ひとつひとつが収益につながり、安定した売り上げが確保できればスタッフの給料に反映されます。

手当やボーナス

全国展開しているような有名クリニックでは基本給が高いだけでなく、時間外労働や交通費の支給など手当も充実しています。また、売り上げが好調だと成績が評価され、貢献の程度に合わせてボーナスや特別報酬が支給される美容クリニックもあります。

美容クリニックで働く看護師に必要なスキル

美容クリニックでは、病棟看護師が普段行っているような生活介助の技術力やアセスメントなどはほとんど必要ありません。

美容経験はなくてもOK

同じ美容施術でもクリニックごとに細かい手技や流れに違いがあります。美容の知識やスキルがなくても働きながら獲得していけばいいので、看護師がもっている基本的な知識と注射や点滴、医療機器の取り扱いなどの手技ができれば十分です。美容外科への転職なら、整形手術や外科的な治療を行えるオペ室や外科病棟での経験が役に立ちます。

コミュニケーション力

美容クリニックの医療はサービスに近く、高い接遇スキルが求められます。手術や施術の流れ、スキンケアなど専門的な説明を患者さんにも分かりやすく説明するだけでなく、悩みや不安に気づいて寄り添えるコミュニケーション能力も必要です。また、転職先には年下の同僚や先輩もいます。社交性が高く謙虚に学ぶ姿勢があると人間関係を築きやすいです。

プレゼンテーション力

美容クリニックは新規顧客の獲得や施術の契約、ドクターズコスメなどの販売で利益を得ています。患者さんの立場に立って要望を聞き取り、患者さんのニーズを満たすサービスやアイテムを提案し、納得できる説明ができる力はとても重要です。カウンセリング、施術、物販、キャンペーンの企画など、どこでも幅広く活躍できます。

美容看護師が手取りを上げるには

日本では現在、看護師の処遇改善運動が行われていて、これから給料が底上げされていくことが推測されます。さらに、美容クリニックの自由診療では自分のがんばり次第で手取りを増やすことが可能です。人気の美容クリニックに入職できて向上心があるなら、年収1000万円以上も夢ではありません。

インセンティブをもらう

美容クリニックでは、成果が報酬として給料に上乗せされることは珍しくありません。化粧品やサプリメントなどの販売数や施術の契約数などの目標を達成すると、営業成績としてインセンティブが発生するところがあります。また、多くの患者さんに指名される看護師はそれだけスキルが高く、売り上げにも貢献しているため指名料がもらえることもあります。

医療専売品のコスメやサプリメントはドラッグストアなどで売られているものよりも単価が高く、売り上げが収益に繋がります。たくさん売れたらそれだけクリニックの収益になるわけです。新規契約やリピート契約がとれた場合にも収入につながるため、契約数や契約金額に応じたインセンティブがもらえることがあります。

昇給制度によるベースアップを狙う

美容クリニックでは、患者さんは病気やケガの治療ではなく美を追求する目的で来院します。高い治療費を支払っても「キレイになりたい。」という思いが強く、より質の高い施術やコミュニケーションを求めています。施術技術や専門知識が高い看護師は、患者さんからの信頼を得られ、指名や物販、契約の成立につながりやすいです。

また、美容に関する資格の獲得や勤務評価、昇給制度を設けて看護師のキャリアアップをサポートする体制を整えているクリニックもあります。年功序列で昇給するのではなく、看護師のスキルに合わせて特別ボーナスや昇給があり、仕事へのモチベーションアップにつながります。

手取りを上げたいなら求人情報のココをチェック

美容クリニックは未経験で転職しても、夜勤をする病棟看護師とほぼ同等の給料がもらえます。もっと手取りを上げたいなら、基本給だけでなく「インセンティブ」や「指名料」「報酬」などが導入されている転職先を探すことです。

しかし、インセンティブや指名制度などが導入されているかは、求人情報に記載されていない可能性があります。物販の営業がプレッシャーになったり、指名が偏ってスムーズな業務ができなかったりという事態を招かないように、導入していないクリニックもあるからです。給料にどのような仕組みがあるか、面接や職場見学などの際に確認しておきましょう。

確実に手取りアップしたいなら転職サイトを利用しよう

転職のときに一般的な転職サイトに登録する方は多いですが、看護師は病院やクリニック介護施設、一般企業、学校などたくさんの転職先がある特殊な業種です。一般的な転職サイトでは広く浅い情報しか手に入りません。効率よく情報を集めて比較するためには、2～3つの転職サイトへの登録がおすすめです。

美容看護師へ転職したいなら、美容医療に特化した転職サイトを活用すると確実な情報が効率よく手に入ります。美容医療業界はまだまだ拡大中で、新規開業するクリニックの数も増えています。美容クリニックの転職を専門に扱う企業なら、希望している条件に合った美容クリニックをきっと紹介してくれるはずです。

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